「に、似合わない……?」

「そういうことじゃねーよ」



眉をひそめて、気まずそうに顔を背ける唯くん。
なにが気に入らなかったんだろう……。


自分の格好を見て、首をかしげる。

と。




「……触りたくなる、だろ」


「え……」


カチャン、と唯くんが手に持っていたシャープペンシルを机に置いて。


そのまま隣に座っている私の方に、ぐっと身体を寄せる。


ふわり、と大好きな唯くんの香りに包まれて。

唇にそっと触れたのが唯くんの唇だって気付いたら、かあっと頭の芯から熱くなった。