「……暑くねえ?」
「まあ……うん」
「くそ、何でクーラー壊れてんだよ」
顔をしかめる唯くんの部屋のクーラーは、たまたま壊れていたらしい。
扇風機を使ってみてはいるけれど、吹いてくる風も生暖かいので、涼しいとは言えない。
「図書館でも行くか?」
「行くまでの道も暑いよ……」
「……たしかに」
外に出たらもっと暑いことを思い出して、諦めたようにため息をつく唯くん。
正直、クーラーがないだけでこんなに暑いとは思っていなかった。
だけど唯くんの首元を伝った汗が色っぽくて、思わず目を逸らしてしまう。
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