夏休みが明けて1週間。

つまり、倉科くんと気まずくなってしまってから1週間。

あれから私はなにかと倉科くんを避けてしまっていて、倉科くんもだんだん私に話しかけなくなった。


意地悪だって、もちろんしてくれない。




「……やっぱり嫌だなぁ……」




倉科くんと喋れないの、嫌だなぁ。

倉科くんを見ても目が合わないの、嫌だなぁ。



喋りたい。
いつもみたいに「ばーか」って、笑ってほしい。


……寂しいな。


「柑奈」

「優ちゃん」


自分の席に座って、ぼーっと倉科くんのことを考えていると、いつのまにか優ちゃんが目の前に立っていた。


「倉科と何かあったの?」

「あ、うーん……」




何か、あったのかな。

……いや、何もなかった。


何もなかったから、気まずくなっちゃったんだ。




何もなかったから、こんなにへこんでるんだ。