「日向〜買ってきたよ」
「悪いな、俺おかゆ作ってくるから
あいつのこと見ててやって」
「わかった〜」
日向が台所に行ったのを見て
愛花ちゃんの側に行く。
…苦しそう。
愛花ちゃんは頑張りすぎちゃったのかもしんない。
ん?待てよ。
もしかして毎日夕飯作って
バイトもしてそれに加えて
三人分の弁当作ってたからじゃねぇの…?
それだったらマジで謝んなきゃ。
もしくは、…学校でなんかあったとか。
考えても答えは出ないから諦めて
袋の中から熱さまシートを取り出す。
タオルでおでこを拭いて
そっとシートを貼る。
いや、貼ろうとしたんだけど
思わず手が止まった。
…愛花ちゃんって
こんな色っぽかったっけ?
無意識に手が愛花ちゃんの頬に伸びる。
触ると伝わってくる熱。
可愛い、な。
ーーー……っ、は!?
俺なにやってんの、馬鹿かよ…。
愛花ちゃんは熱出して苦しんでんのに。
自分の馬鹿さ加減に呆れて
できるだけ愛花ちゃんを見ないように
さっとシートを貼る。