あいつ、何やってんだ?


アズマのすることだから、妙に気になってしまう。


「ちょっと先行ってて」


俺は健太とさおりにそう言って、アズマが入っていった建物の裏へ回り込んだ。


すると、ボソボソと話し声が聞こえてきて俺は足を止めた。


建物の陰からそっと覗くと、そこにいたのはアズマとさっきの二人の男。


そして、黒髪のほっそりした同い年くらいの女の子。


2人の男は誰か来ないか見張ってるようで、周りをきょろきょろ見回している。


こんな人気のないところで何してんだよ。


耳を澄ますと、アズマの声が聞こえてきた。


「はい、これ。一回分で5000円ね」


アズマは女の子に何やらぬいぐるみのストラップのようなものを渡している。


ストラップを受け取った女の子は、財布から5000円取り出してアズマに渡した。


アズマは満足そうな表情をした後、5000円札をポケットにしまう。