これ以上、こいつの言いなりにはなりたくない。
アズマはふーんと軽くうなずくと、ポケットからおもむろにスマホを取り出した。
「ならいーよ。こっちにも考えがあるから」
考え?考えって何だよ。
気になって仕方ない。
アズマは不敵な笑みを浮かべながら、スマホをいじっている。
「おいっさおりに何かする気か?」
「それは仕方ねーよな、拓夢が別れないって言うんだからさ。さおりって子、これから大変な目に遭っちゃうかもな~」
「何だよそれ・・」
「俺の仲間に頼めば何だって思惑通りにできんだよ。そーだな~例えば、さおりって子を売春としてヤクザに売りつけてやるとかな」
「やめろ!!」
アズマの言葉をさえぎって叫んだ。
「そんなことになったら拓夢とも付き合えなくなるし、大学にも来れなくなるな。俺って頭良い♪」
こいつ、マジでやばい奴だ。
売春って、なんて話だよ。
こいつそんなことをいつも裏でやってたのかよ・・
「そんな事絶対にさせねえ!二度とお前の思惑通りにはさせねーよ」
そう言って、俺はその場から走り去った。