陰にて光咲く




朝8時に目が覚めると、ベッドの下に寝ていたアズマの姿がなかった。


ベッドから起き上がって風呂場をのぞくと、どうやらシャワーを浴びているようだった。


そしてアズマが風呂場から出てきて、俺に気づいた。


「起きたか?シャワー借りたから」


「おっおう」


アズマが背を向けて髪をふいている姿を見てると、アズマの背中に気になるものがあった。


背中にはかなり目立つ傷跡がある。


擦り傷とかそんなものではなかった。


「なあ、その背中の傷ってどうしたの?」


俺はアズマに聞いてみることにした。


アズマは振り向いて、笑いながら答えた。


「ああこれ?1年前くらいに渋谷歩いてたら、ちょっとグサってやられたやつだよ」


「え?」


「彼氏持ちの彼女といい関係になってたら、その彼氏に俺の女に手出すなって背後からグッサリ刺されたの」


へらへらしながら話すアズマをみて、あきれ返る。


刺されたって、普通に起こることじゃないのに何で笑い話にできるんだ。


ホントこいつは女にだらしない。


一回そんな目に遭ってんだから気をつけるとかないのかよ。