陰にて光咲く




「まあ一晩ならいーけど・・」


「マジで?サンキュー拓夢!助かるわー」


アズマは嬉しそうに言って、その場に横になった。


「やっぱ拓夢ん家に来てよかったわ。俺、頼るの拓夢しかいねーし」


「けど、俺以外にも他に友達いるだろ?」


「いらねーよ、そんなの。拓夢がいればいい」


「ふざけた冗談言うな!」


「照れんなよ拓夢ちゃん♪」


アズマはじゃれた声で言った後、深いあくびをした。


「今日いろいろあって疲れた。もう寝る」


その場でアズマは目を閉じた。


「え、そこで?いーのかよ、そんな固いとこで」


「寝られりゃどこでもいいし。おやすみ」


アズマはあっという間に寝息をたて始めた。


今日バイトの後食い逃げしてバイク走らせて、その後借金取りに追われたんだからそりゃあ疲れるよな。


押し入れから予備用の毛布を引っ張り出してきて、それをアズマにかけてやった。


アズマの寝顔を見ながら、さっきの話を思い出していた。


食い逃げした時に使ったバイク、ちゃんともとあった場所に戻してきたんだな。


アズマのことだから、絶対にどこかに乗り捨てるだろうと思ったのに。


電気を消してベッドに入るとすぐに寝入ってしまい、一度も目が覚めずに朝を迎えた。