「いいのか?」
「捕まったらやばいんだろ?とにかく入れよ」
アズマを部屋の中に入れてやると、アズマは安堵の息をもらしてベッドの前に座った。
「ありがとな、拓夢。助かったよ」
アズマと自分の分のコーヒーを入れていると、後ろでアズマは部屋の中をきょろきょろと見回している。
コーヒーの入った二つのマグカップをテーブルにおいて、その場に座った。
「で、何でお前が借金取りに追われてるんだよ。両親は何してんの?」
「親は二人とも死んだから」
さらっと答えたアズマはマグカップを手に取り、コーヒーを一口飲んだ。
普通に質問してしまったことに、少し罪悪感を覚えた。
「わっ悪い・・気にしてたら誤る」
「全然気にしてねーって。つーか、親なんて最悪の過去だし」
アズマの態度は、本当に気にしてない様子だった。
「親父は会社が倒産した後、仕事しないで株に手をつけたせいで1000万借金してたから」
「1000万!?」
「そんで最終的にはアル中で2年前に死んで、その一か月後におふくろも借金の重荷がかかって自殺した。だから負担は全部俺にまわってきたってわけ」
そうか、アズマには親がいなかったんだ。
だから、バイトも掛け持ちしてたのか・・



