アズマはまだ笑っていた。


「うるせーな!てか、そんなことで笑うな。あの時、マジで死ぬと思ったんだからな。もう絶対あんな事したくねーし」


「俺ももうしない。あの時は本当に死ぬつもりだったからさ」


「え?」


俺は思考を停止させ、アズマを見た。


「あの日で人生終わらせるつもりだった。


ガキの頃から俺の存在っていてもいなくても変わらなかったし、


誰も俺の言うことなんて信じてくれなかったから生きてる価値ないと思ってたんだ」



アズマはぽつりぽつりと自分の事について話していった。


「昔、父親から虐待されてたせいで毎日ボロボロになりながらも生きてたんだ。


学校に行っても誰とも口聞かないし、馴染めたことなんて一度もない。


親が死んでからも頼れる奴なんかいねーから、一人で生きていくしかなかった」



アズマの壮絶な過去が語られる。


俺は途中で口を挟まず聞いていた。