足から崩れ落ちて、恐怖に震えた。


すぐさまアズマが俺のもとへ駆け寄った。


肩にアズマの手が置かれる。


アズマも動揺してるのか、肩に置かれた手が震えていた。


いや、俺の体が震えているのか…


「拓夢…」


「あ…あ…」


頭が混乱していて言葉を発することができない。


「拓夢、落ち着け。大丈夫だから…」


アズマの声は何も聞こえてこなかった。


「とりあえず、ここから離れよ。な!」


アズマは動けない俺を立ち上がらせた。


そして連れて行かれた場所は、さっきの別荘だった。


森を抜けたところにはタクシーがいるから抜けることはできず、ここしか行くところがなかった。


別荘の鍵をかけ、窓ガラスが割れたリビングの窓のところには巨大なタンスを置いた。


そして二階へと上がり、アズマが監禁されていた部屋にたどり着いた。


アズマは抜け殻のような俺を、壁に預けるように座らせた。


頭の中で''何てことしたんだ''という言葉がメリーゴーランドのように回っていた。


本当はあんなことするつもりはなかった。


ただ、アズマから離れてほしかっただけで…


俺は頭を抱えてうつむいた。