「てめぇデタラメ言ってんじゃねーぞコラ‼︎」


男は今にもアズマに掴みかかりそうな勢いなのに、アズマの態度は平然としたままだ。


「あんな彼女のためにそこまでキレるなんて信じらんね。俺だったらそんな女、すぐに別れるけどな」


「何だとてめぇ‼︎」


バキッ…


男の拳がアズマの左頬を捕らえ、アズマはよろめいた。


その光景を見ていた全員が息を飲む。


すると態勢を戻したアズマは殴った男の左頬を殴り返した。


男の顔はみるみる赤くなる。


「何しやがんだてめぇ‼︎」


俺はその光景を見ているのが耐えられなくなり、健太と殴り合いを止めに行った。


「もうやめましょっね、やめましょ‼︎みんな見てますから」


健太がアズマを殴った男を押さえ込み、俺は他の男らをアズマから引き離した。


止めに入ったところで事は収まり、男らは舌打ちをしながら去って行った。