いつも、氷のように冷たい瞳で私を睨みつけ、開いたその口からも、同様に冷めた声しか発しない。
とても冷徹な、ただ血の繋がった存在ということしか繋がりはなかった。
……私を嫌っているのは、一目瞭然だった。
だからこそ、私はあの人が苦手で……
「ーー雛李?」
「…え…」
真也が近くにいて、ようやく自分がぼんやりしていたことに気付いた。
「急に大声出してごめんな。この馬鹿が余計なこと言うから」
「あー…今のは墓穴掘った、すまん」
遠い記憶を思い出したことで、長い気分になる。
粕谷さんもいるのに、碌なおもてなしも出来ず、うまく喋れないかもしれない。
せっかくの和やかな雰囲気を壊したくないのに。
……と。
「よしよーし」と頭を撫でられて、澱んだ心が溶かされていくのを感じた。
気分はまるで幼子のようだ。



