「中学の時はあんなに荒れてたのにな」
「渉!!」
鋭い怒号が、真也の口から飛び出した。
突然の出来事に、体がびくりと揺れる。
「ーー…っ」
私が怒鳴られているわけではないのに、自然と過去のことが頭をよぎった。
昔から、大きな声が苦手だった。
『親をからかって楽しいか!?』
お父様のイライラとした怒鳴り声が頭に響いた。
私の、父親という人は……
滅多に顔を見ることもできない、そして私に自ら会いになど来てはくれない人だった。
もう長く、そして最後にいつ、正面からその顔を見ることができただろうか。
見ていれば分かる。
あの屋敷で、私を一番毛嫌いしているのはお父様だった。
当然、私と皐の扱いはまるで違った。
皐から見れば、いつも一緒にいてくれて、何だってしてくれる父親だったに違いない。
私の目から見ても皐には優しい人だった。
けれど、私には……



