箱庭センチメンタル




何故か真也が渋々納得した。


粕谷さんに話しかけたつもりだったのだけれど…。


私に対して何も言わないところを見ると、この呼び方で合っている……と思う。



「ニャァ」


満腹になってご満悦の子猫が戻って来て、粕谷さんが驚きの声を上げる。


「うぉ!何だよ真也。猫飼ったのかよ…」



余程驚いたのか、後ろに勢いよく後ずさりするほど。


けれど一瞬で冷静になったのか、恐る恐る猫に近付いていった。



「ああ、名無しって言うんだよ」


「は、名無し…?それちょっと酷くね?」



答えながら、粕谷さんは子猫に憐れみの目を向ける。


すると、少し考えるそぶりを見せて言った。


「よし。じゃ、にゃ太郎で決まり!」



……にゃ太郎…?


私と同じく疑問に思ったのか、シンも言葉を挟む。



「にゃ太郎って……正気か?」


「お前のネーミングセンスよかマシだわ!」