「よっす、シン!元気してっか?」
リビングまで響く大きな声。
「……何しにきたんだよ」
真也の声も遠くに聞こえた。
「ん?何か今日素っ気ないな。どうしたよ?」
「何でもない」
「何だよつれねーな。お前が寂しがらないように来てやったんだぜ?」
「頼んでないんだけど」
「まーまー、そう言うなって。俺とお前の仲だろ?つーわけで、お邪魔しまーす!」
「おわ!ダメだ、今は入れられない」
「何でだよ。…って、お?下駄?てか、女物じゃん、これ」
私の下駄だろうか。
着物は着ていないけれど、外に出ることがないため真也に買ってもらった靴も出さず、下駄は置かれたまま。
きっと、それを見つけられたに違いない。
靴を隠すのを忘れるとは、盲点だった。



