箱庭センチメンタル




「俺は雛李を、ずっと前から知ってるからな」


それは笑顔ではなく、遠い昔を懐かしむような、そんな表情。


私を覗き込む瞳は、私を通して別の何かを見ているかのよう。



私を見つめて揺れる瞳の奥には、とても深い、悲しみが混じっていたことに私は気付いた。


その眼差しはとても優しくて、けれどとても泣きそうな、そんな儚さがあった。



それ以上は触れて欲しくないと、そう言いたげな瞳を前に、何も問いかけることはできず。



「よし、もっかい服でも見に行くか!」


パッといつもの笑顔に戻った真也が、私の手を引いて歩き出す。


歩く最中で、買ったアイスが私を探している間に溶けて、結局捨ててしまったと笑いながら話していた。



私を導くように繋がれた手に目を向けて、私は祈った。


どうか、彼の笑顔が失われることがないようにと。