「……ーーー」
「ーーっ」
その選択を聞いた時、尋常ではないほど肌が栗立つ。
……信じられない。
私が、最も恐れるものを、いとも簡単にダシに使うなど…。
まるで、ナイフのようにズタズタに私の心を蝕んでゆく。
「なんて非道な…」
「そう仰りたいのならどうぞ。それでもあのお方の気高き美しさは衰えない。幸峯様は、素晴らしいお方です」
私には、お祖母様を理解することなど未来永劫訪れないだろう。
あの箱庭のような屋敷全体は歪んでいる。
そう思った。
「そのようなことまでして…」
「そのようなことまでしても、ですよ雛李様。
貴方を手中に収めていたい。幸峯様の愛情。素晴らしく、喜ばしいことではありませんか」
おぞましく、狂っている。
人生で初めて、私は人間を軽蔑した。
無論、自身を軽視した自分でさえも。



