妖艶に、せせら笑うように口角を僅かに上げる近江さん。
…実際は、それほど久しいわけではない。
常にお祖母様のそばに控えているのだ、屋敷にいた頃は毎日顔を合わせていたと言っても過言ではない。
「……淡海さん。なぜ、貴方がここに?」
何かあるのではと、淡海さんをじっと見据える。
頭が切れて、お祖母様の言いつけにも忠実に従う。
私がお人形であるならば、淡海さんは動くエリートコンピューターといったところだろうか。
「ふふ、さて……なぜでしょうね?」
常に貼り付けた笑みを身に纏い、本当の自分を見せはしない。
全てを隠し通す彼女は、底が見えない謎の女性。
実際のところ、毎日顔を合わせているとは言っても私はこの人の年齢すら知らない。



