箱庭センチメンタル




そんな彼に、これ以上しつこく追求することをやめた。


自分のすることは曲げないという性格が、ここ数日の間でよく分かったからだ。



「おっ!雛李、アイスがある!」


隣を歩いていると、突然の大きな声に驚いた。


内心驚いたけれど、平静を装う。



シンの指差す方向を見れば、人の並ぶ可愛らしい移動販売車。


シンの言うアイスとは、本当にあのアイスなのだろうか、と首を傾げてしまった。


私の知っているアイスというものは、和風な小皿に乗った半月型をしたバニラ味。


けれど周りを見れば、色とりどりのアイスが逆三角形の何かに乗っており、それを食べ合う人々の姿が窺える。



これはとても、私の知っているアイスとは程遠い。



「雛李、食うか?」


「あ、いえ、私は…」



得体のしれないもの。


見たことのないそれがアイスだとは思えず、反射的に断ろうとした。