私は、ばっ!と男性達の方へと体を向け、彼らの話に割り込んだ。


「今の話、本当ですか?!情報屋に依頼をすれば、闇の情報が手に入るって……」


すると、男性達は驚いた様子で私を見た後、口を開いた。


「あぁ。俺も会ったことはないんだが、情報屋の腕は一流らしいぞ」

「確か、この先の裏通りの奥にある酒場に通っているって噂だ」


私は、目の前に道が開けたような気がした。


情報屋さんに会うことができれば、ギルの話もシンの話も聞けるかもしれない


「裏通りの酒場ですね!ありがとうございます…!」


私は男性達に頭を下げると、急ぎ足で裏通りへと歩き出した。


“黒き狼”


凄腕の情報屋がいるなんて、初めて聞いた。


もう一度…ギルに会う方法が見つけられたら。


私は小さな期待を胸に、確かな足取りで進んでいった。



****



数十分後。

私は薄暗い路地を歩いていた。


普段、裏通りなんてめったに足を踏み入れないけど…なんだか人通りも少なくて、街の中心部とは全く違う世界みたいだ。


少し歩くと目の前が開けて、やがて一軒の赤い屋根の店が見えてきた。

周りは石造りの道。酒場の看板が出ている。

街中に並ぶ新しい建物とは違い、その酒場だけ少し古い建物のようだ。


こんな所があったなんて……。


ドキドキと胸が鳴り出す。

そして私は、緊張しながら酒場の扉に手をかけた。