「全員眠気に襲われたって.......」


とその時、室内に威勢の良いヤンキー口調の声が響き渡る。


「オラァ!!ここ開けろよくそが!!」


短気で不良の鈴木が、金髪を揺らしながら部屋に1つしか無い扉を思いきり蹴っていた。


「ッチ、反応無しかよ。」


鍵がかかっているのか、扉はびくともしない。


諦めた鈴木は、ガタッとパソコン前の椅子に腰掛ける。


「マジふざけた真似してくれんじゃねーの。俺達15人、全員拉致するなんてよ。」

鈴木は鼻息荒く、続けて言葉を吐き捨てる。

「もしかして院長もグルだったんじゃね?いきなり今から挨拶行って来いとか、無理矢理俺達を車に誘導してたしな。」


ガンッとパソコンの前に足を上げて手を後ろで組む鈴木に対し、正義感の強い松原が反論する。


「鈴木、そんな言い方はないだろ?院長を疑うなんて....。車で眠ってしまった俺達にも責任はあるんだから。」

「でも、全員が眠気に襲われるっておかしくね?ホラー映画にありがちな方法で、夕食に睡眠薬混ぜられてたんじゃねぇーの?」


確かにそうだ。

15人全員が眠気に襲われるなんて、明らかにおかしい。

鈴木にそう反論され、松原は押し黙ってしまった。


と、その時。


ウィイインという音と共に、円形になっている机の中央にどの席からも見える様にセッティングされた、3台の液晶テレビが現れた。


皆一様にその液晶テレビをガン見していると、画面にパッと明かりが灯る。


「なんだ、あれ.......?」



画面に映し出されたのは.......