「まあそう興奮しないで。…僕はね、ずっと君を探していたんだ」 言いながら、男は血塗れの包丁を舐めていた。 (気持ち悪い…) 「どうして私を探してたの?あんたなんか、私知らないわよ」 「そうだね。君は、僕を覚えていない。記憶から僕を消したんだ」 (記憶から…消した?) 「安心して、これから僕が、ゆっくり思い出させてあげるからさ…」 男妖艶な笑みを浮かべながら近付いてくる。 私は、恐怖で足が竦み、動けなかった。