*刹那side*


少し時を遡る。

聖那生徒会室に来た時。俺達は目を疑った。


ドアの前には、絶世の美女が居た。透き通るような白い肌。ストレートの黒髪。そして、深い、澄んだ瞳。


女嫌いの由樹と千晶まで、見とれてる。


しばらく満以外は放心していた。


少し話してみると、柔らかい声、柔らかい笑み。全てが完璧だった。


…だけど、こいつの浮かべる笑みは、”偽物”だ。愛想笑いを見飽きてる俺には、すぐにわかる。他の4人も、薄々気付いてる。


…こいつは、何かをある…。真っ暗な…深い闇の瞳をしている。俺は直感的にそう感じた。


…そして、案の定。


結羽が聖那の顔を覗き込んだ時、さっきまでの柔らかい声とは全く違う。深い、暗い、澄んだ声を発した。


素であろうその声に、聞き惚れた。さっきまでの声とは違う、儚さがあった。


初めてだ…こんな気持ち…。


お前を…もっと知りたいだなんてな…。



*end刹那side*