貴方、悪代官ですかーっ、と思ったとき、明日実の携帯が鳴り出した。
「あっ、電話がっ」
「放っておけ」
「会社からの呼び出しかもしれませんっ」
「まだ、あるかっ。
ていうか、俺に連絡ないのに、まずお前にあるかっ」
そう言いながら、軽く髪を撫で、キスしてくる。
やっ、やっぱりやだーっ、と思ったとき、一度止まった電話がまた鳴り出した。
「……しつこい電話だな」
一度離れた貴継がちらと、そちらを見て言う。
その隙に、明日実は手を伸ばし、鞄の中の携帯を引き寄せた。
「もっ、もしもしっ」
と出ると、あっ、こらっ、と貴継が止めようとする。
だが、助けてっ、と言おうとした明日実の言葉は喉の途中で止まっていた。
「……お、おにいさま」
やばい。
この人には助けは求められない。
婚約者なのに、なんで助けてだ、と言われてしまうからだ。
「あっ、電話がっ」
「放っておけ」
「会社からの呼び出しかもしれませんっ」
「まだ、あるかっ。
ていうか、俺に連絡ないのに、まずお前にあるかっ」
そう言いながら、軽く髪を撫で、キスしてくる。
やっ、やっぱりやだーっ、と思ったとき、一度止まった電話がまた鳴り出した。
「……しつこい電話だな」
一度離れた貴継がちらと、そちらを見て言う。
その隙に、明日実は手を伸ばし、鞄の中の携帯を引き寄せた。
「もっ、もしもしっ」
と出ると、あっ、こらっ、と貴継が止めようとする。
だが、助けてっ、と言おうとした明日実の言葉は喉の途中で止まっていた。
「……お、おにいさま」
やばい。
この人には助けは求められない。
婚約者なのに、なんで助けてだ、と言われてしまうからだ。



