ケダモノ、148円ナリ

 



 夜は、人事部主催の同期会に行った。

 地下にある、ちょっと小洒落た店の一室を会社で貸し切ってくれていた。

 安田課長がみんなを連れてきて挨拶してくれる。

「今日親睦を深めて、次からは自分たちで同期会とかやってくださいね。

 同期というのは、ま、ときに揉めるときもありますけど。
 頼りになるものですよ。

 特に他の部署の同期は、仕事の上でありがたい存在です。

 ……では、私は、この辺で」

 挨拶だけして、安田課長はさっさと帰ろうとする。

 智子が、
「えー? 課長、帰っちゃうんですか?」
と言うと、

「はあ、実は今日、家内の誕生日でして」
と少し照れたように安田が頭を掻く。

 如何にもマイホームパパそうな安田課長に何故か拍手が起こった。

 どうもどうも、とみんなに見送られながら、ドアを開けた安田が、
「すぐに天野部長が来られますから」
と言ってきた。

 げ。