ケダモノ、148円ナリ

 


 ……見張られている。

 明日実はパソコンを打つ手を止めかける。

 背後から貴継の視線を感じていた。

 朝、仕事を始めてしばらくすると、貴継がさりげなく背後に立った。

 仕事っぷりを監視されているっ! と長閑な職場で、明日実ひとりにだけ、緊張が走っていた。

 それにしても、この人、いつ、私を人事部付に変えたんだろうな。

 一緒に暮らしてみて、こりゃ駄目だと思ったから?

 仕事には厳しいようだから。

 だが、出会ったのは一昨日だし、研修が始まったのは昨日だ。

 一昨日の夜から、昨日の朝までは、貴継と一緒に居たし。

 一体、いつ、私が使えない人材だと判断を? とキーを叩きながらも、頭の中でぐるぐる考えていると、
「速度が落ちたな」
と背後から、ぼそりと言ってくる。

 ひい……。

 ぱっと見には、ほとんどわからないはずなのに。

 やっぱり、この人、仕事中も怖すぎる~。