「おはようございますー」
電車で明日実は安田と出会った。
もちろん、駅まで乗せてきてくれたのは、貴継だ。
今日もあの女子高生たち、こっち見てたなー。
昨日、貴継に乗せてきてもらった自分を羨ましいと言って見ていた子たちだ。
足を止めて待っていたようだった。
余裕だなあ、と感心する。
自分の学生時代など、いつも遅刻ギリギリで走っていた気がするのだが。
大学のときなんか坂の上にあったので、毎朝着いたときは死にそうになっていて、一限目は行き倒れていて、授業など聞いてはいなかった。
入学したとき教授が、
「どんな人でもうちの大学に入って何年か経つと、スタイルが良くなります。
みんな、朝、あの坂を死に物狂いで駆け上がるからです」
と言っていたのを思い出し、なるほど、これのことか、と思っていたものだ。
「おはよう。
今日も早いね」
と安田課長に言ってもらえる。
ちょっと嬉しく思いながら、それは、貴継さんのお陰ですよーと思っていた。
あの人、絶対、遅刻とかしそうにない人だからな。



