ケダモノ、148円ナリ

 



 それにしても、今日もなんだか怒濤の一日だった。

 貴継が買ってくれていたイチゴが中にたっぷりサンドされた、抜群に美味しい生クリームのケーキを明日実は頬張る。

「初出勤のお祝いだ。
 まあ、まだなんの役にも立ってない研修生だがな」

 うっ……。
 確かに。

 みんな手を止めて教えてくれるので、逆に仕事の邪魔をしている感じだ。

「まあ、お前は飲み込みは悪くないから、頑張れ。
 四月一日の入社までは使い物にならなくて当たり前だ。

 そのために二週間の研修期間を設けてるんだ。
 その間は、たっぷりみんなに教われ」

「はいっ。
 ありがとうございますっ」
と明日実は背筋を伸ばし、職場のように畏まる。

「だが……、それはつまり、四月一日までに使い物にならないのなら、去れ、ということだ。

 使えない部下は俺はいらん」

 人事部長の顔で貴継が言う。

 ……ひい。

 明日実はフォークを持って固まったまま、
「が、頑張ります」
と言った。