ケダモノ、148円ナリ

「仕事で全精力使ってるからだ。
 他のことはなにもしたくない」

 はあ、まあ、そんな感じですよね、と思う。

「俺は時間の使い方とか、情熱の配分とか、そんなに器用じゃないからな」

「そうなんですか?」

 意外だな、と思っていると、
「結構、没頭しすぎて、周りが見えなくなるんだ。
 ちなみに、今は情熱は、仕事とお前に半分ずつだ」
と言ってくる。

 いや本当に、何処まで本気なんですか、とつい、赤くなりながら思っていると、エスカレーターの方を見た貴継は、
「やっぱり、ついでに見てみるか」
と言い出した。

 確かに、こういうところでも、最近は、そこそこ立派な家具もある。

「じゃあ、一応、見てみます?
 イメージとかつかめるかも」
と言うと、

「イメージは決まってる。
 こう、王様みたいなベッドだ」

 子どもか……、と思いながら、一緒にエスカレーターを上がっていて気がついた。

「そういえば、パジャマは買わないんですか?」