ケダモノ、148円ナリ

 は?
 婚姻届でも出しに行くのでしょうか、と思っていると、
「実は、坊主の資格を持ってるんだ」
と言い出した。

「……今、なんの関係があるんですか」

「一時期、世を捨てたくなって、修行に出てたから。
 今から、仏前結婚式を挙げてやろう」
と明日実を抱いて廊下を歩きながら、ブツブツ言い始める。

「おっ、お経っ、唱えないでくださいっ」

 怖いですっ、と明日実は悲鳴を上げる。

「そうだ。
 私、クリスチャンですしっ」

「嘘つけ。
 お前が祈りを捧げてるとこ、見たことないぞ」
と言いながら、貴継はドアを開ける。

 ひーっ。
 もう、すぐそこだっ。

 ベッドがキングサイズなので、部屋いっぱいにある。

「そうだ。
 神主の資格もあるぞ」
とベッドに明日実を降ろしながら、今度は祝詞をあげ始めた。

「もうっ。
 貴方の話、どれが本当なんですかっ」
とベッドに乗ってくる貴継の腕をつかみながら言うと、

「俺はなんでもできるって話だ」
と言いながら、キスしてくる。

 少し離れた貴継が間近に見つめ、言ってきた。

「ああ、そうだ。
 あれもあったな」
と明日実の薬指のイルカに触れ、言ってくる。