ケダモノ、148円ナリ

「私は、社長の大学の後輩だったんです。

 昔から、あの人は本当に頭のいい人で、今の貴継くんによく似ていて、みんなの憧れでした」

 それが、水族館で、あははははと笑っていては、後輩たちは、みな、びっくりするかもしれないな、と思う。

 楽しそうだが。

「私は社長から会社を預かっているだけです。

 そう思って、社長に恥じないように日々、頑張っています」

 その言葉を聞き、やっぱりまだ、貴継より、貴継の父の方が人望があるな、と思った。

「さあ、佐野明日実くん、入社式です。
 今日から気を引き締めて、アリのように働いてください」

 はいっ、と明日実は返事をし、頭を下げた。