「クーデターを起こしたことに対する贖罪のため、私が専務に推薦したのに、貴継くんは断ったと言っておきましたよ」
ふいにした声に、えっ? と明日実たちは振り返る。
社長が立っていた。
「私の提案を、君が、今の自分では能力的にも人望的にも適任ではない、と言って断ったということにしました。
その方が君の株も上がるでしょう」
人望的にもって、おい、社長、それが本音か、という顔を貴継がする。
だが、社長はこちらを見、
「まあ、人望は……ありましたかね」
と貴継を守ろうとするように、ひっしと貴継の腕をつかんで立つ明日実を見て、社長は笑う。
「いや、これは私の妻ですから、私を溺愛していて当然です」
と貴継は言い、明日実を後ろに下がらせる。
「だっ、誰が妻ですかっ。
誰が溺愛してるんですかっ」
と訴えると、
「いや、お前、結婚してないのに、ああいうことしちゃいかんだろう」
と言いながら、既に記名済みの婚姻届を出してきた。
えっ、という明日実の側で社長が笑う。
「君、いつか、いいこと言ってましたね。
働け。
会社のために働け。
アリのように働け」
淡々と社長は言い、笑う。
ふいにした声に、えっ? と明日実たちは振り返る。
社長が立っていた。
「私の提案を、君が、今の自分では能力的にも人望的にも適任ではない、と言って断ったということにしました。
その方が君の株も上がるでしょう」
人望的にもって、おい、社長、それが本音か、という顔を貴継がする。
だが、社長はこちらを見、
「まあ、人望は……ありましたかね」
と貴継を守ろうとするように、ひっしと貴継の腕をつかんで立つ明日実を見て、社長は笑う。
「いや、これは私の妻ですから、私を溺愛していて当然です」
と貴継は言い、明日実を後ろに下がらせる。
「だっ、誰が妻ですかっ。
誰が溺愛してるんですかっ」
と訴えると、
「いや、お前、結婚してないのに、ああいうことしちゃいかんだろう」
と言いながら、既に記名済みの婚姻届を出してきた。
えっ、という明日実の側で社長が笑う。
「君、いつか、いいこと言ってましたね。
働け。
会社のために働け。
アリのように働け」
淡々と社長は言い、笑う。



