ケダモノ、148円ナリ

「颯爽とスーツ着て、素敵な彼氏に駅まで送ってもらうとか。
 私も、大人になったら、ああいう風になりたいなって」

「えええっ。
 私、全然、颯爽としてませんっ。

 会社でも、たぶん、とろくさいと思われてると思うしっ」
と叫ぶと、

「いや、格好いいですよ。
 会社でどう思われてるかは知らないですけど、ぱっと見は」
とはっきり言われた。

 え、えーと。
 ありがとうございます……?

 彼女たちと一緒にホームに向かいながら話す。

「あんな素敵な彼氏ってどうやったら出来るんですか?」

「一体、どんなところに、ああいう人って居るんですか?
 普段生活してて、見たことないんですけど」
と矢継ぎ早に質問される。

「……え、えーと。
 道に居ました」

「えーっ。
 もしかして、ナンパですかっ?」

 ……その場合、どっちがどっちになんだろうな? と思いながら、楽しく話して、電車は別なので、そこで別れた。