ケダモノ、148円ナリ

 




 春先はまだ寒いときもあるのだが、今日は日差しも暖かく、ちょうどいい気温だった。

 気持ちがいいなーと思いながら、明日実はバスを降りる。

 何処の庭木の香りなのか、風に乗って、ふわりといい匂いがした。

 バス停前に居た例の女子高生軍団と目が合ったので、なんとなく、
「おはようございます」
と言うと、彼女らは驚いた顔をする。

「なっ、なんで一人なんですかっ?」
「なんで、バスッ!?」

「はいっ?」

「今日はあの彼氏さんの車じゃないんですかっ?」

「え、えーと。
 今日は私の入社式なので、一人で行くと言ったんです」

「そうなんですか?
 だったらいいんですけどっ」
と言われて、だったらいいんですけどってなんだろう? と思っていると、

「私たちの夢を壊さないでくださいね~っ。
 将来、あんな風になりたいなって思いながらいつも見てるんです」
と言われた。

 ええっ?