ケダモノ、148円ナリ

 



 やばいっ。
 昨日、目覚ましかけて寝たっけ?

 目を覚ました明日実は、やたら明るい光に驚き、飛び起きる。

 だが、まだ七時前だった。

 カーテンが少し開いていたようだ。

 ほっとしたとき、机の上のあの指輪が目に入った。

 一瞬にして、昨日のことを思い出す。

 そういえば、ケダモノさんは……と思いながら、廊下に出たが、隣りの部屋はしんとしていた。

 まだ寝てるのかな、と思いながら、そうっとリビングに行くと、貴継は何故かソファに寝ている。

 部屋から毛布を持ち出して、此処で眠ったようだった。

 まだ寒いのに、と思いながら、
「風邪ひきますよ」
と声をかける。

 貴継からの応答はない。

 薄暗い部屋の中、つい、マジマジとその顔を眺めてしまう。

 ……寝てても綺麗な顔だな。

 男の人って、綺麗な人は化粧しなくても綺麗だよな。

 なんか負けた気分だ、と思いながら、行こうとしたとき、誰かに手を引かれた。

 ひゃーっ、と悲鳴を上げる。