ケダモノ、148円ナリ

 



「あ、あのっ。
 今日は駄目ですっ」

 今日は嫌っ、と繰り返し、明日実は部屋に戻るとすぐに、勝手に抱えられて運ばれた貴継のベッドから逃げ出そうとした。

「今日だと、カウンタックのために身売りしたみたいじゃないですかーっ」

「日々理由を考えつく奴だなっ。
 明日は空が青いから駄目ですとでも言うつもりかっ」

 もういい加減、観念しろ、と明日実の頭の上で、明日実の両手を片手で押さえ込み、言ってくる。

「そもそも、お前が俺を拒絶する理由はもうないと思うが」

「な、なんでですか」
「だって、お前、俺のこと好きだろう」

 そう言い切られ、うっかり、絶句してしまった。

 すぐに違うと言えなくなっている自分に気づいてしまったからだ。

 だが、
「そ、そんなはずありません」
と自分自身に言い聞かせるように明日実は言う。

「まだ顕人が気になるのか」

 そう言われ、ようやく顕人のことを思い出した。

 わ、忘れてた……。

 おにいさまのことを。