「あ、あのっ。
今日は駄目ですっ」
今日は嫌っ、と繰り返し、明日実は部屋に戻るとすぐに、勝手に抱えられて運ばれた貴継のベッドから逃げ出そうとした。
「今日だと、カウンタックのために身売りしたみたいじゃないですかーっ」
「日々理由を考えつく奴だなっ。
明日は空が青いから駄目ですとでも言うつもりかっ」
もういい加減、観念しろ、と明日実の頭の上で、明日実の両手を片手で押さえ込み、言ってくる。
「そもそも、お前が俺を拒絶する理由はもうないと思うが」
「な、なんでですか」
「だって、お前、俺のこと好きだろう」
そう言い切られ、うっかり、絶句してしまった。
すぐに違うと言えなくなっている自分に気づいてしまったからだ。
だが、
「そ、そんなはずありません」
と自分自身に言い聞かせるように明日実は言う。
「まだ顕人が気になるのか」
そう言われ、ようやく顕人のことを思い出した。
わ、忘れてた……。
おにいさまのことを。



