ケダモノ、148円ナリ





「すごい。
 みんな振り返っていきますよー」

 明日実はカウンタックの助手席から、通りを歩く人々を振り返る。

「フェラーリとかはよく見るけど、カウンタックは見ないですもんねー。
 せいぜいディアブロとか」

「楽しいか?」
と問われ、はい、と振り返って笑うと、

「ならよかった」
と貴継は満足げに笑う。

 ……こういうときの顔は好きなんだけどな。

 まあ、鏡花に言わせれば、この人全然ケダモノではない、そうなんだが。

「管理人さんと話してたのは、この車の駐車場の話だったんですね」

「むき出しで、その辺に置いてとくわけにはいかないからな。

 普段は、友だちのガレージにとりあえず置かせておいてもらうことにしたんだが。

 たまにお前が乗るときには止めさせもらおうと思って、空いてた駐車スペースを借りることにしたんだ」

「あ、じゃあ、せめて、その分は払います」
と言うと、

「いや、それはあれだ。
 今日、改札まで見送ってくれたご褒美だ」