ケダモノ、148円ナリ

「なんでですか。
 私と貴方は夫婦でもないし」

「じゃあ、今から夫婦になればいい」

 今すぐなれ、と貴継は言ってくる。

 いや……カウンタック欲しさに結婚とかどうだろう?

「ぐずぐずするな。
 さあ、乗れ。

 お前の貞操と引き換えだ!」

「のっ、乗れないじゃないですかっ。
 そんなこと言われたらーっ」

「お前が言い出したんだぞ。
 やかましい奴だな。

 まさか、オートマ限定じゃないだろうな」

「免許ですか?
 違いますよ。

 ……いつかカウンタックに乗ろうと思って、普通に取ってます」

「乗る気満々じゃないか……」

 だが、慣れないと操作が難しいので、とりあえず、此処まで持ってくるのに、一度乗ったらしい貴継が運転してくれた。

 斜めに跳ね上がるカウンタックのドアを見たとき、一瞬、これ目当てに結婚してもいいかと思ってしまった。

 もふもふの毛皮を着た顕人の、めっ、という顔が頭に浮かんだが。