ケダモノ、148円ナリ

「いや、実は持ってる知り合いが居たんだ」

 さすがですね、と思ったが言わなかった。

「この間、海外行ったとき、カジノで派手にすって、嫁に怒られたらしくて。

 金がないわけじゃないんだが、お仕置きとして、道楽で集めてるものを始末しろと言われたとか。

 じゃあ、これを俺に売れと言ったら、泣いていたが、たまに貸してやるからと言って、説得した」

 ……可哀想じゃないですか。

「これが俺の愛情だ、明日実」

 貴方を可愛いと一言褒めただけで、こんなものがやってくるのですか。

 だから、そのお金でマンションでも買ったらどうですかと思ったのだが、何故だか今は言う気にならなかった。

「あの、愛情を物とお金に換算するのやめてください」

「すぐ目に見えていいだろう」

 えーと……。

「さあ、乗れ、明日実」

「で、でも、壊したりしたら……」

 正直言って、古い車だ。
 状態がいいとは言えない。

「大丈夫だ。
 直すから」

「でも、こんな高い車もらえません」

「じゃあ、俺の車ってことでいい。
 俺の車なら、お前の車だ」