ケダモノ、148円ナリ

 



 何処に連れていかれるのかと思ったら、地下の駐車場だった。

 いつも貴継が止めているうちの駐車スペースとは違う、柱の陰の見えにくい方角に手を引いていかれる。

 ……幻覚が見えるんだが。

 赤い車が止まっている。

 いつもの貴継の車より、更に車高が低い。

「あんなところにプラモデルが」

「本物だ」

「1/1スケールのカウンタックが」

「だから本物だ」

「……ボディはレプリカで、エンジンは日産……」

「そういうのもあったが、本物だ」

 近くまで行き、触ってみようとして止めた。

 カウンタック様にご無礼な感じがしたからだ。

「どっ、どうしたんですかっ、これーっ」

「買った」

「買えませんよっ。
 その辺でポンポンッ」

 なんせ、生産終了して随分経っている。

 まあ、売っている店もあるのだが、その辺のディーラーでポンポン売っているわけではない。