ケダモノ、148円ナリ

 明日実の顔色を見て笑い、
「はは。
 大丈夫。

 軽く確認してすぐ帰るよ」
と言ってくる。

「い、痛くないんですか?」

「……痛いね」

「座ってくださいっ」
と周囲を見回すが、空いている席はない。

「いや、まだ初期だったんで、話に聞いてたほどではなかったんだけどさ。
 薬で散らすか迷って。

 結局、切ってもらうことにしたの。
 再発怖いしさ」

「あの、電車で立ってて大丈夫ですか?」

「そうだね。
 タクシーの方が座ってられるなーとは思ったんだけど、電車の方が速いし」

 はは、と笑っているが、そういえば、目が虚ろなような気がする……。

「女房にも、もう勝手にしてって怒られたよー」

「怒りますよ、そりゃ」

 こっちは心配してるのに、なにやってんだと思っていることだろう。

「わかってるんだけどね。
 僕ひとり居なくても会社が回るのは。

 でもなんかこう、休む準備整えて休まないと、落ち着いて入院できないって言うか」

「そ、それはわかりますけど……」