ケダモノ、148円ナリ






 立派でないうえに女癖の悪い人が、なにか言っている、と明日実は貴継の腕をつかみ、見上げていた。

「俺に居て欲しいか」
と勝ち誇ったように言ってくるので、カチンと来て、顔をそらした。

「別にいいです。
 どっちでも」

「じゃあ、手を離せ」

「嫌です」

「じゃあ、行っていいか」

「嫌です。
 貴継さんなんて、フラれるに決まってます」
と言いながら、その腕をつかんでいた。

 貴継は少し笑い、側に腰を下ろしてくる。

 視線をそらした自分に囁いてくる。

「さっきの話、聞いてたんだろう」

「小人さんと狼さんと聞いてました」

 振り向かないまま言うと、だからなんなんだそれは、と言いながら、貴継は昨日の夜のように頭を撫でてくる。

「莫迦だな。
 あの人と俺の物の考え方がちょっと似てると言っただけだ。

 人は自分と同じものは好きならない」

 だが、そこで少し考え、言い出した。

「顕人はなんでお前なんだろうな?」

 どっちも間が抜けている気がするが、と。