ケダモノ、148円ナリ

 




「明日実。
 こら、明日実、離せ」

 貴継は明日実を客間のベッドに降ろしたが、明日実は腕を離さないまま、何故か苦悶の表情を浮かべている。

 ……これは、起こしてやった方が親切だろうかな。

 明日実の上に乗り、鼻をつまみ、キスしてみる。

 息が出来なくなったらしい明日実が暴れ出した。

「ひっ、人殺しーっ」
と手を離すと、飛び起きる。

「おはよう。
 深夜に迷惑な奴だな」

「た、貴継さんっ?」

 あれっ? と明日実は辺りを見回す。

「今、小人になった大和さんに切符切ってもらって、笹原さんと名古屋に行って、味噌カツ食べてました」

「超能力か」

 さっき、笹原と食ったぞ、と言うと、
「笹原さんといらしてたのですか」
と言った明日実は、ちょっとほっとした顔をしたあとで、

「今、悪い夢を見てました」
と言い出す。

「どんな?」

「貴継さんが浮気している夢です」