「明日実。
こら、明日実、離せ」
貴継は明日実を客間のベッドに降ろしたが、明日実は腕を離さないまま、何故か苦悶の表情を浮かべている。
……これは、起こしてやった方が親切だろうかな。
明日実の上に乗り、鼻をつまみ、キスしてみる。
息が出来なくなったらしい明日実が暴れ出した。
「ひっ、人殺しーっ」
と手を離すと、飛び起きる。
「おはよう。
深夜に迷惑な奴だな」
「た、貴継さんっ?」
あれっ? と明日実は辺りを見回す。
「今、小人になった大和さんに切符切ってもらって、笹原さんと名古屋に行って、味噌カツ食べてました」
「超能力か」
さっき、笹原と食ったぞ、と言うと、
「笹原さんといらしてたのですか」
と言った明日実は、ちょっとほっとした顔をしたあとで、
「今、悪い夢を見てました」
と言い出す。
「どんな?」
「貴継さんが浮気している夢です」



