ケダモノ、148円ナリ

 



「……あんた、知ってんのか」

 明日実は頭の上で、貴継の声がするのを聞いていた。

「顕人が……」

 いや、なんでもない、と貴継は言った。

 女の笑い声が聞こえる。

「知ってるわよ。
 そっくりじゃないの。

 あら?
 まさか、そんなことで怯んでたの? 顕人は。

 どうせ、戸籍上は他人じゃない」

「あんた俺と似てるな」

 どうしよう。

 貴継さんが誰か女の方と好意的な感じで会話しています。

 誰か……

 聞き覚えのある声なのに、なんだか動転していてわからない~っ。

 ぼんやり聞こえてくる二人の会話に、明日実は夢を見つつ、うなされていた。

 またあのダンジョンでIDカードをつけた小人と狼と居たのだが。

 上からもれ聞こえてくる声が気になって、ずっとそちらばかり向いていたので、後ろから小人にハリセンで叩かれた。

 手作りのハリセンのようだ。

 結構痛い。