ケダモノ、148円ナリ

 まあ、貴方はわかってるでしょうけど、と言われ、膝の明日実を見下ろしながら、
「わかってるっていうか。
 そうであって欲しいと願っているというか。

 明日実にはそう思い込むよう、日々、洗脳をかけているが」
と言うと、多少呆れながらも、

「……ま、明日実には、貴方みたいな方が合ってるわよね」
と鏡花は言ってきた。

「ついでに言っとくと、今日は来ない方がよかったわよ」

 どうしてだ? と言うと、
「いつもべったり一緒なんでしょ。
 明日実はなにも言わなくても貴方が居てくれると思ってるわよ。

 少しは寂しがらせなきゃ。
 意外と駆け引き苦手なのね。

 その顔で遊んでないってこともないでしょうに」
と言われる。

「いや、そういうのは苦手だな。
 駆け引きしたいような女には出会わなかったし。

 ……明日実にはそんなことしたくない。

 ま、しないとは言わないが」
と素直に認めたあとで、明日実を見下ろし、

「単に俺が嫌なんだよ。
 明日実と離れてるのが……」
と言うと、鏡花は肩をすくめ、

「あら、意外と一途なのね」
と妙に感心したように言っていた。