ケダモノ、148円ナリ

 



「で? どういう馴れ初めで出会って、どういう関係なの?」

 眠ってしまった明日実を貴継が自分の膝に寝かせていると、鏡花が毛布を持ってきながら訊いてきた。

「いや、単に俺が明日実に一目惚れして、家に押しかけて住んでいるというだけの話だ」

「さらっと言ったけど、それ、犯罪スレスレね」
と鏡花は笑う。

 明日実の従姉だというが、雰囲気はまるで違っていた。

「このお堅い明日実がよくそんなこと許したわね」

「顕人にフラれた直後だったんだ」

 ああ、とグラスに口をつけながら、鏡花は言う。

「フラれたっていうかね。
 どうなのかしらね。

 顕人は、それでもって、明日実に止めて欲しかったんじゃないかしら。

 そんなこと言える子じゃないってわかってたでしょうにね。

 それにたぶん……

 明日実が顕人を好きって言うのは、そういう意味でじゃないと思うんだけど。

 ヒナが自分が親だと思ったものに付いて歩いてるのと一緒よ。

 一種の刷り込みみたいなものでしょ」