「で? どういう馴れ初めで出会って、どういう関係なの?」
眠ってしまった明日実を貴継が自分の膝に寝かせていると、鏡花が毛布を持ってきながら訊いてきた。
「いや、単に俺が明日実に一目惚れして、家に押しかけて住んでいるというだけの話だ」
「さらっと言ったけど、それ、犯罪スレスレね」
と鏡花は笑う。
明日実の従姉だというが、雰囲気はまるで違っていた。
「このお堅い明日実がよくそんなこと許したわね」
「顕人にフラれた直後だったんだ」
ああ、とグラスに口をつけながら、鏡花は言う。
「フラれたっていうかね。
どうなのかしらね。
顕人は、それでもって、明日実に止めて欲しかったんじゃないかしら。
そんなこと言える子じゃないってわかってたでしょうにね。
それにたぶん……
明日実が顕人を好きって言うのは、そういう意味でじゃないと思うんだけど。
ヒナが自分が親だと思ったものに付いて歩いてるのと一緒よ。
一種の刷り込みみたいなものでしょ」



