結局、リビングで三人が酒を呑んだ。
「で、どういう馴れ初めで一緒になったわけ」
と貴継に訊く鏡花に、横から明日実は、
「まだなってません」
と往生際悪く言う。
「その人はただのケダモノですっ」
「おい、ケダモノ女、芸をやれ」
いや、ケダモノなのは、私ではないのですが、と思いながら、逆らうのもめんどくさいので、明日実は、お財布から、30円を取り出した。
「この10円玉が今から、3枚になります。
はいっ」
とやってみせる。
「お前……既に最初から3枚あるが。
っていうか、値段下がってるじゃないか」
既に酔ってるな、と言われてしまう。
なんでだろうな、と思っていた。
たいして呑んではいないのに、お酒が回って来た。
なんだか、ほっとしたからだろうか。
貴継さんの声を聞いて。
姿を見て。
明日実は側に座る貴継の腕に額をぶつける。
……貴継さんの熱を感じて。
「あら、明日実、もう寝たの?
面白くないわ」
という鏡花の声が聞こえてきた。



