ケダモノ、148円ナリ

 強引に来られるより、要警戒な感じだ。

「っていうか、お前。
 私がこっちで寝るとかなんだ。

 一緒に寝るに決まってるだろ」
と明日実の肩に手を回し、連れていこうとする。

「待って待ってっ。
 待ってくださいーっ」
とドアをつかみ、明日実は踏ん張ろうとしたが、内開きのドアだったので閉まってしまい、指を挟まれた。

「いたーっ!」

「……莫迦か、お前は」

 指を胸に抱え、しゃがみ込んだ明日実の頭の上から容赦ない言葉が降りそそぐ。

「ちょっと考えれば、わかるだろ。
 ドアなんだから」

 そう言いながら、貴継はしゃがんだままの明日実をひょいと抱える。

 お姫様抱っことかではなく、クレーンゲームでぬいぐるみを取るように、両腕で挟んで、ひょいっと、という感じだった。

 景品になった気分だ……。

 そのまま、さっきのソファに運ばれ、ぽい、と投げ捨てられた。

 明日実を見下ろし、貴継は問うてくる。

「救急箱は何処だ」