ケダモノ、148円ナリ


 



 ようやく一日目の会議が終わり、笹原が行きたいという人気の店の列に並ばされた貴継は、明日実に電話をしていた。

 だが、何度かけても出ない。

「もうやめなよ。
 まるでストーカーだよ。

 僕が女ならドン引きだよ」

 そう横で笹原は言ってくるが。

「いや、お前が女なら、そもそもかけない」
と言いながら、もう一度だけかけてみようと、と思ってかけた。

 だが、出ない。

 そのうち、順番が来て、店に入り、貴継たちは、カウンター席に座った。

「美味しいね、味噌カツ。
 夜は、お前の言う通り、味噌カツにしてよかったよ。

 ……貴継?」

「そうだな」

「あのー、さすがの人気店の人も不安になるくらい渋い顔するのやめて」

 カウンターだよ? と言われる。

 何故、客が店の人間の機嫌を窺わねばならんのだ、と思ったが、確かに、目の前の店主が、

 ま、……まずいですか?
と言いたげな、不安そうな顔でこちらを見ている。